税務コラム

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職業病(長岡支部 髙野会員)

どんな職業でも長く続けていると、その職業独特の病気になりやすい。昔、税理士は指先を使うソロバンが基本だった。そのためか年齢が進んでも税理士は意外に元気だ。

しかし、体の病気より思考の病気が気にかかる。普段税法を相手に考えているから、常に税法だけの判断に陥ってしまう。

役員の報酬を臨時に支払うと賞与として会社の税金計算上、費用にならない。お客様から臨時賞与を役員である奥様に払いたいと相談される。すると、税理士は「臨時賞与では税金がかかります。翌期の定期総会で役員報酬を上げ、定時定額で払えば税金上費用になります」と説明する。

ここで説明が終わると職業病と言われる。なぜ奥様に臨時賞与を出そうと考えたのか理由を聞く。人は「気持ち」で動くものである。気持ちよく働ける環境をつくることが社長の仕事である。税法の判断は一般論。税金上不利であっても当社の経営上必要であれば実行すべきである。そんなアドバイスなら職業病にならなくてすむ。


長岡支部所属 税理士 髙野裕

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2013年04月

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